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傷病手当金の会社記入欄の書き方|無給・有休・手当の確認例

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従業員から傷病手当金の申請書を渡されたとき、会社が確認するのは、申請期間の勤務状況と賃金の支払いです。『休職中だからすべて空欄』『給与振込額をそのまま記入』では、必要な証明と一致しないことがあります。この記事では協会けんぽの紙の申請書を例に、会社記入欄の確認順序と、無給・有給休暇・手当がある場合の違いを整理します。

手続き準備のために書類と筆記具を整理した机

会社は勤務と賃金を証明し、支給の可否は保険者が判断する

申請するのは健康保険の被保険者本人です。会社は勤怠・給与の事実を証明し、医師が療養に関する意見を記入します。働けない状態かどうかや支給の可否は、医師の意見や仕事内容などを踏まえて保険者が判断します。会社が病状を独自に判定したり、受給を約束したりする手続きではありません。

最初に申請期間を本人と確認し、出勤簿・タイムカード、給与明細・賃金台帳、手当の支給条件を照合します。これらは会社の確認用資料であり、すべてを一律に添付するという意味ではありません。健康保険組合に加入している場合は、その組合の様式・提出方法を確認してください。

事業主証明は申請期間に合わせて記入する

協会けんぽの紙の申請書では、会社が記入するのは3ページの『事業主記入用』です。本人が2ページに記入した申請期間と、社内の勤怠・給与記録を合わせて確認します。

  • 氏名と、申請期間に対応する勤務状況欄の年月を記入する。出勤も給与支給もない月でも、年月は省略しない。
  • 申請期間中に出勤した日を確認する。有休・公休・欠勤を、会社独自の記号で一律に書き込まない。
  • 休んだ日に対して支払った報酬があれば、その対象期間と金額を確認する。振込日や振込額だけで判断しない。
  • 内容を照合して事業主情報を記入し、申請期間の最終日以降の日付で証明する。将来の休業予定を実績として証明しない。

無給・有休・手当がある場合の記入例

以下は記入方法を説明するための架空の例です。実際の申請では、対象期間と給与資料を確認してください。

例1 1か月間出勤せず、その期間の給与・手当もゼロの場合。氏名、年月、証明日、事業主情報は記入します。出勤日の丸印は付けず、報酬欄は空欄とします。『0円』の記入も不要です。

例2 申請期間中の10日だけ有給休暇を取り、その日の賃金1万円を支払った場合。有給休暇は出勤日として丸を付けず、報酬欄にその日を対象とする1万円を記入します。

例3 出勤はないものの、その月を対象とする住宅手当5,000円を支払った場合。基本給がゼロでも、手当の対象期間と金額を記入します。一方、過去の出勤日に対する残業代は、休業中に振り込まれたという理由だけで同じ欄に含めません。

記入欄と対象になる報酬の詳細は、協会けんぽの現行の記入の手引きで確認できます。

本人へ説明するときに押さえる支給の基本

主な条件は、業務外の病気やけがの療養で働けないこと、連続する3日間の待期を含めて4日以上仕事に就けないこと、休業期間の給与が支払われないことです。給与が傷病手当金より少ない場合は差額が対象になります。待期には有休や公休日も含められますが、3日間が連続している必要があります。業務・通勤災害は労災保険との区別が必要です。

支給額は原則として、支給開始日以前12か月の標準報酬月額の平均を30で割った額の3分の2です。加入期間が12か月未満の場合には別の計算方法があります。『直近の手取りの3分の2』ではありません。同一の傷病の支給期間は、支給開始日から通算1年6か月です。

申請書を止めないための社内チェック

長期の休業では、協会けんぽは給与の締切日ごとに1か月単位での申請を勧めています。支払いが可能と判断された場合は、受付日から10営業日以内の支払いが案内されています。ただし、従業員が会社へ書類を渡した日から数えるものではなく、不備等によっても異なります。確定していない入金日は約束しないでください。

  • 申請期間、本人との連絡担当、会社が証明を返す目安を決めた。
  • 基本給だけでなく、有休の賃金と継続して支払う手当を確認した。
  • 勤怠の確認者と給与の確認者が違う場合も、同じ期間で照合した。
  • 本人への返却日、提出状況、修正依頼の有無を記録した。
  • 申請する権利は労務不能だった日ごとに翌日から2年で時効になることを踏まえ、書類を放置していない。

退職する場合は継続給付を別に確認する

退職後の継続給付には、退職日まで継続して1年以上の被保険者期間があり、資格喪失時に受給しているか受給できる状態であることなどの条件があります。任意継続や国民健康保険の期間は、この1年にそのまま算入できません。退職日に出勤すると退職日の翌日以降の継続給付を受けられないため、退職日と勤務状況を先に確認します。

任意継続へ加入すれば新たに傷病手当金の権利が生じるわけではありません。退職後に一度働ける状態となり、その後再び働けなくなった場合も、在職中と同じには扱われません。個別の条件は加入先の保険者へ確認してください。病状の情報は必要な範囲で扱い、休職・復職の判断や社内規程の運用とは区別して管理しましょう。

確認と相談の進め方

会社のご担当者で、申請書の確認が給与担当と行き違う、休職者への連絡方法が担当者任せになっている、といった課題がある場合は、当事務所の業務内容をご確認のうえ、ご相談・事前ヒアリングからお知らせください。給付の支給可否・金額は加入先の保険者が判断します。

この記事の対象と確認日

制度確認日:2026年10月22日。本記事は一般的な制度・会社実務の説明です。個別の支給決定を行うものではありません。加入する健康保険の現行様式・案内をご確認ください。

参考にした公式資料

  1. 協会けんぽ 傷病手当金
  2. 協会けんぽ 記入の手引き 2026年10月版
  3. 協会けんぽ大阪支部 傷病手当金申請書の記入ポイント
  4. 協会けんぽ 病気やケガで会社を休んだとき Q&A
  5. 協会けんぽ 健康保険傷病手当金支給申請書