就業規則を見直すのは、法改正のときだけではありません。勤務・賃金制度を変えるとき、雇用形態や事業場が増えたとき、規則と現場の対応が食い違ったときも点検が必要です。まず現在の規則一式と最終改定日を確認し、直す条項・担当者・対応期限を決めましょう。

自社の条項に落とし込む見直しチェックリスト
現行の就業規則、賃金規程、育児・介護休業規程、雇用契約書、労使協定を並べ、各項目に「対応済み・要改定・要確認」を記入します。これは点検用で、そのまま採用する規程のひな形ではありません。
- □ 育児・介護:対象者、取得事由、申請先、個別の案内方法が現行制度に合っているか。自社条項:__/担当:__/対応期限:__
- □ ハラスメント:禁止事項、相談窓口、相談後の対応が規程と案内で一致しているか。自社条項:__/担当:__/対応期限:__
- □ 労働時間・賃金・休暇:実際の申請・承認方法と条文に食い違いがないか。自社条項:__/担当:__/対応期限:__
- □ 雇用形態・事業場:パート・有期契約社員などへの適用範囲が明確か。自社条項:__/担当:__/対応期限:__
2025年・2026年施行の制度は対応済みか
2025年4月から、子の看護等休暇の対象は小学3年生修了までに拡大され、学級閉鎖等や入園・入学式、卒園式も取得事由に加わりました。継続雇用6か月未満の人を労使協定で除外する仕組みは廃止されています。残業免除の対象も、小学校就学前の子を養育する人に拡大されました。
2025年10月からは、3歳から小学校就学前の子を養育する労働者に対し、会社が法定の5つの選択肢から2つ以上の措置を講じ、本人が1つを選べる仕組みが必要です。措置選択時の意見聴取、個別周知・意向確認等も点検します。
介護では、2025年4月から、介護に直面した旨を申し出た人への個別周知・意向確認、40歳前後の定められた時期での情報提供、雇用環境の整備等が義務となっています。案内する担当者・時期・書式まで確認してください。
2026年10月1日からは、カスタマーハラスメントと求職者等に対するセクシュアルハラスメントの防止措置が、すべての事業主の義務となっています。顧客対応・採用担当者への案内や、相談先の整備も含めて点検します。
「常時10人以上」は会社全体でなく事業場ごと
就業規則の作成・届出が義務となるのは、常時10人以上の労働者を使用する事業場です。正社員だけでなくパート・アルバイトも含めます。常態として10人以上なら、一時的に10人未満になっても義務がなくなるわけではありません。
10人未満でも、労働時間や育児・介護、ハラスメント対策などの法令への対応は必要です。年1回などの定期点検は管理上の方法であり、毎年の改定が法律で一律に義務付けられているわけではありません。未対応の法改正が見つかった場合は、定期点検を待たずに取り組みます。
変更案の作成から意見聴取・届出・周知まで
変更案では、対象者・利用条件・申請先・施行日を整理し、関連規程や雇用契約との整合を確認します。モデル就業規則を使う場合も、自社で実施しない制度をそのまま採用しないようにしましょう。
作成・届出義務のある事業場では、過半数労働組合、なければ過半数代表者の意見を聴きます。代表者は原則として管理監督者ではない人から、目的を明示した投票・挙手等で選び、会社が一方的に指名することはできません。意見書を添付して所轄の労働基準監督署へ届け出ます。
届出だけで終わらせず、配布・掲示・常時閲覧できる社内システムなどで周知します。申請書や勤怠・給与設定の変更も確認しましょう。賃金・退職金などの不利益変更は、届出をすれば当然に有効になるものではありません。本人との合意の有無、変更の必要性、不利益の程度などを踏まえ、変更前に慎重な検討が必要です。
確認と相談の進め方
「どの条項から直すべきか分からない」「規則と実際の運用が合っていない」という場合は、就業規則の作成・見直しサービスをご確認ください。現在の規則一式と、困っている運用を整理しておくと、相談すべき点を具体的にできます。
この記事の対象と確認日
制度確認日:2026年10月22日。本記事は一般的な情報提供です。実際の変更は、事業場の状況、労働契約、労使協定、従業員への影響を踏まえて検討してください。
参考にした公式資料